「介護タクシーって、介護保険が使えるんですか?」
介護タクシーの現場で、多くいただく質問です。
答えは、「使える場合と、使えない場合があります」
さらに保険が使えるときでも、安くなるのは料金の一部だけです。
ネットには「介護保険で安く乗れる」「家族は同乗できない」など、切り取られた情報があふれています。
私は明石市で介護タクシー「ひだまりサポート」を運営している、介護福祉士の中谷です。
現場では「本当は使えるのに諦めていた」「使えると思っていたら自費だった」というすれ違いが起こることもあります。
この記事では、介護保険が使える3つの条件・使えないケース・保険外タクシーとの使い分けを、現役ドライバーの立場から解説します。
読み終わるころには、「うちの場合はどっちがいいか?」の判断材料になれば幸いです。
結論|介護保険が使えるのは「通院等乗降介助」のときだけ
最初に結論からお伝えします。
介護タクシーで介護保険が使えるのは、「通院等乗降介助(つういんとう・じょうこうかいじょ)」という訪問介護のサービスに当てはまるときだけです。
実は「介護タクシー」という制度は、法律には存在しません。介護の資格を持つドライバーが、乗り降りの介助つきで送迎するサービスの通称です。
そのため、「介護タクシー=保険で安くなる」とは限らず、保険が使えるかどうかは”乗り方”で決まります。
もうひとつ大事なポイントがあります。保険が使えるときでも、安くなるのは「介助料」の部分だけです。

文字で整理すると次のとおりです。
| 料金の内訳 | 内容 | 介護保険 |
|---|---|---|
| 運賃 | タクシーとしての移動料金 | 対象外(自費) |
| 介助料 | 乗り降り・移動のサポート料金 | 対象になる場合あり |
| 機材レンタル料 | 車いす・ストレッチャーなど | 対象外(自費) |
保険が適用されると、介助料の自己負担は1割になります(所得により2〜3割の方もいます)
ただし、運賃と機材レンタル料はそのまま自費です。「全部保険が適用される」わけではないので注意が必要です。
介護保険が使える3つの条件
では、どうすれば「通院等乗降介助」として乗れるのでしょうか。条件は3つあります。3つすべてに当てはまれば利用できます。
条件1|要介護1〜5の認定を受けている
介護保険の対象になるのは、要介護1〜5の認定を受けている方です。
注意したいのは、要支援1・2の方は対象外になる点です。「認定は受けているから大丈夫」と思っていたら要支援だった、というケースは現場でもよくあります。ご自身やご家族の介護保険証で、いま一度確認してみてください。
条件2|ケアプランに組み込まれている
通院等乗降介助は訪問介護のサービスです。そのため、ケアマネジャーがケアプラン(介護の計画書)に位置づけて、はじめて保険が使えます。
つまり、タクシー会社に直接電話して「保険でお願いします」と頼んでも、適用されません。順番は「ケアマネさんに相談」が先です。
条件3|日常生活に必要な外出である
保険が使えるのは、日常生活や社会生活に必要な外出に限られます。たとえば次のような行き先です。
- 病院への通院
- 日用品の買い物
- 銀行でお金をおろす
- 役所での手続き
- 選挙の投票
※どこまで対象になるかの細かい判断は、市区町村やケアマネジャーによって異なる場合があります。
逆に、この範囲を超える外出は対象外です。詳しくは次の章でお話しします。
介護保険が使えないケース|現場でよくある誤解
ここからは「使えると思っていたら使えなかった」パターンと、その逆の誤解を紹介します。
趣味やレジャーの外出には使えない
美容院、お墓参り、外食、お孫さんの結婚式——。
こうした外出は「日常生活に必要」の範囲を超えるため、介護保険の対象になりません。
「じゃあ、もうそういうお出かけは無理なのか」と思った方、大丈夫です。
保険外の介護タクシーなら、行き先は自由です。実際にどんなお出かけができるかは、介護タクシーの通院以外の使い方を実例つきで紹介した記事をご覧ください。
要支援の方・認定を受けていない方は使えない
条件1のとおり、保険が使えるのは要介護1〜5の方のみです。ただし、これは「介護タクシーに乗れない」という意味ではありません。保険外であれば、要支援の方も、認定を受けていない方も利用できます(移動に支援が必要な方が対象です)
家族の同乗は原則できない
介護保険を使う場合、ご家族は原則として一緒に乗れません。保険サービスの対象は、ご本人のみだからです(認知症で付き添いが必要な場合など、例外が認められることもあります)。

過去にこのような出来事がありました。
ご利用者様をお迎えに行くと、ご家族がわざわざ自家用車で後ろをついてこられたことがありました。理由を聞くと「ネットで、家族は介護タクシーに同乗できないと見たので……」。
実は、同乗できないのは介護保険を使うときの話です。私の車は保険外の介護タクシーなので「ご家族もどうぞ一緒に乗ってください」とお伝えすると、とても驚かれていました。
その時「同乗NG」という情報だけが独り歩きしているんだと実感しました。
介護タクシーでは後ろを自家用車でついてくる必要はないので、ご安心ください。
保険外の介護タクシーなら「できないこと」ができる
保険が使えないと聞くと損した気分になりますが、保険外には保険外の強みがあります。違いを表で整理します。
| 項目 | 保険適用(通院等乗降介助) | 保険外の介護タクシー |
|---|---|---|
| 対象者 | 要介護1〜5のみ | 移動が難しい高齢者や障害のある方であれば利用可能 |
| 行き先 | 通院など必要な外出のみ | 自由(趣味の外出などもOK) |
| 家族の同乗 | 原則NG | OK |
| 頼み方 | ケアマネ経由でケアプランに | 直接予約でOK |
| 介助料の負担 | 1〜3割 | 全額自費 |
つまり、「安さの保険適用」か「自由の保険外」かです。どちらが上ではなく、目的で使い分けるのが正解です。
- 定期的な通院をとにかく安く → 保険適用をケアマネさんに相談
- 家族と一緒に、行きたい場所へ → 保険外を直接予約
なお、私のひだまりサポートは保険外専門の介護タクシーです。
料金で悩んでいる方に対しては「まずケアマネさんに保険適用を相談してみてください」とお伝えしています。
保険外で利用する場合の料金のしくみ(運賃・介助料・機材料金の3つ)は、介護タクシーの料金はどう決まる?の記事でくわしく解説しています。
家族が付き添えないときは「保険外の付き添いサービス」という選択肢も
「介護タクシーは手配できたけれど、病院の中の付き添いまでは頼めない」「仕事でどうしても付き添えない」——そんなときは、保険外の付き添いサービスを組み合わせる方法があります。
イチロウは、通院の付き添いや外出の同行を、介護保険のルールに縛られずオーダーメイドで頼める保険外の介護サービスです。必要なときに、必要な分だけお願いできます。
\相談・お見積もりは無料です/
なお、明石市とその近郊にお住まいの方は、私が運営する「介護タクシーひだまりサポート」でも、通院や外出のつきそいを承っています。
利用までの流れ|まずは担当のケアマネジャーに相談
最後に、実際に使うまでの流れです。
介護保険で使いたい場合
- 担当のケアマネジャーに「通院に介護タクシーを使いたい」と相談する
- ケアプランに通院等乗降介助を組み込んでもらう
- 保険に対応した事業者を手配してもらう
保険外で使いたい場合
- 事業者に電話やLINEで直接予約する(ケアマネさんを通す必要はありません)
担当のケアマネジャーがいない方は、お住まいの地域の地域包括支援センターに相談してください。介護タクシーに限らず、介護の困りごと全般の窓口になってくれます。
まとめ|「使える・使えない」は3つの条件で判断
介護タクシーに介護保険が使えるかどうかは、この順番で確かめられます。
- 介護保険証を見る……要介護1〜5なら対象です(要支援は対象外)
- ケアマネさんに相談する……ケアプランに組み込めるか聞いてみる
- 行き先を確認する……通院・日用品の買い物など、日常生活に必要な外出かどうか
3つそろえば保険適用となり、通院の負担はぐっと軽くなります。
そろわなくても、保険外の介護タクシーなら行き先も同乗も自由です。「安さの保険適用、自由の保険外」で使い分けてください。
迷ったら、担当のケアマネジャーか、お近くの介護タクシー事業者に直接聞くのがいちばん確実ですよ。
明石市とその近郊にお住まいの方で、「保険がきかないお出かけ」——美容院、お墓参り、ご家族そろっての外出——をご希望でしたら、介護タクシーひだまりサポートがお手伝いします。
お電話(090-9992-2157)またはLINE(以下ホームページ内)から、お気軽にご相談ください。
▶ 介護タクシーひだまりサポートの料金・サービス詳細はこちら
※この記事の制度・金額は2026年7月時点の情報です。

