「介護タクシーを呼びたいけれど、料金がいくらかかるのか分からなくて不安」
ご家族からいちばん多くいただく相談です。ネットで調べても結局いくらなのか分からない——そんな経験はありませんか?
介護タクシーの料金は基本的に「運賃+介助料+機材料金」の3つの合計で決まっています。このしくみさえ分かれば、お住まいの地域の事業者の料金表を見て、自分でおおよその金額を計算できるようになります。
この記事では、現役の介護タクシードライバーである私が、料金のしくみ・高いと感じる理由・概算の出し方・安く抑える方法まで、まとめて解説します。
介護タクシーの料金は「3つの合計」で決まる

結論から言うと、介護タクシーの料金は次の3つを足したものです。
| 項目 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| ①運賃 | 移動そのものにかかるお金 | 時間制(10分◯円)または距離制(メーター制) |
| ②介助料 | 乗り降りや移動の介助にかかるお金 | 乗降介助・室内までの付き添いなど |
| ③機材料金 | 車いすなどのレンタル代 | 車いす・リクライニング車いす・ストレッチャー |
順番に説明します。
①運賃:時間制と距離制の2タイプがある
運賃の決め方は事業者によって2タイプあります。
- 時間制:「10分ごとに◯円」のように、乗車時間で計算する
- 距離制:普通のタクシーと同じように、メーターの距離で計算する
どちらのタイプかで計算方法が変わるため、料金表を見るときは最初にここを確認してください。
②介助料:介護タクシーならではの費用
乗り降りの介助、玄関から車までの移動、病院の受付までの付き添い——こうした介助に対する料金です。基本の介助料に加えて、階段の介助やつきそいなど、内容に応じて加算される事業者が多いです。
③機材料金:車いすなどを借りる場合のみ
ご自身の車いすを使う場合はかからないことが多く、事業者から借りる場合に発生する料金です。リクライニング車いすやストレッチャー(寝たまま乗れる担架)は、通常の車いすより高めに設定されています。
このほか、迎車料金(お迎えにかかる料金)のほか、入退院時の介助や、病院での待機料金を設定している事業者もあります。見積もりのときに確認しておくと安心です。
なぜ普通のタクシーより高いの?
「同じ距離なのに、普通のタクシーより高い」と感じた方もいるはずです。
理由ははっきりしています。移動だけでなく、介助という専門サービスがセットになっているからです。
- ドライバーは介護の資格(介護職員初任者研修や介護福祉士など)を持ち、体の状態に合わせた介助をする
- 車いすやストレッチャーのまま乗れる専用車両を使っている
- 乗り降りや付き添いも含めて、1件あたりにかける時間が長い
つまり「タクシー代」ではなく、「タクシー代+介護サービス代」と考えると、料金のしくみがわかりやすいです。
逆に言うと、介助がほとんど必要ない方(自分で歩いて乗り降りできる方)なら、普通のタクシーのほうが安く済む場合もあります。「移動に介助が必要かどうか」が、介護タクシーを選ぶ分かれ目です。
自分で概算(シミュレーション)する方法【3ステップ】
しくみが分かれば、概算は3ステップで出せます。
ステップ1:移動時間(距離)を調べる
Googleマップなどで、自宅から目的地までの車での所要時間や距離を調べます。
ステップ2:事業者の料金表で運賃を計算する
お住まいの地域の介護タクシー事業者のホームページで料金表を見て、時間制なら所要時間分、距離制なら距離分の運賃を計算します。
ステップ3:介助料と機材料金を足す
基本介助料と、車いすなどを借りる場合はそのレンタル料を足せば概算完成です。
実際の例で計算してみましょう。
運賃1,200円/10分までごと・基本介助料1,000円・迎車料金600円として、自宅から片道15分の病院へ通院する場合(ご自身の車いす使用)——
- 運賃(15分):1,200円+1,200円=2,400円
- 基本介助料:1,000円
- 迎車料金:600円
- 機材料金:0円
- 片道合計:4,000円(往復ならおおよそ2倍が目安です)
「思ったより高い」と感じるか、「介助込みなら妥当」と感じるかは人それぞれです。
多くの事業者は電話で見積もりに応じてくれるので、迷ったら直接聞くのがいちばん確実です。
介護タクシーの料金を抑える5つの方法

介護のお金のブログとして、ここがいちばんお伝えしたいパートです。
①障がい者手帳の割引を使う
身体障がい者手帳や療育手帳をお持ちの方は、運賃が1割引になる事業者が多いです。乗車時に手帳を提示するだけなので、必ず確認してください。
②自治体の福祉タクシー券・助成を使う
多くの自治体に、タクシー料金の助成制度(福祉タクシー利用券など)があります。対象や金額は自治体ごとに違うため、「お住まいの市区町村名+福祉タクシー券」で検索するか、地域包括支援センターに聞いてみてください。
③介護保険の「通院等乗降介助」が使えるか確認する
要介護1〜5の方の通院などは、条件を満たせば介護保険で介助料が安くなる場合があります。使える条件・使えない条件は、こちらの記事でくわしく解説しています。 → 介護タクシーに介護保険は使える?使える場合・使えない場合を現役ドライバーが解説
④通院のタクシー代は医療費控除の対象になる
歩行が困難で公共交通機関を使えない方の通院タクシー代は、医療費控除の対象になります。領収書は必ず保管してください。確定申告での申請方法は、別の記事でくわしく解説する予定です。
出典:国税庁タックスアンサー No.1122「医療費控除の対象となる医療費」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
⑤複数の事業者で見積もりを比較する
介護タクシーの料金は事業者ごとに本当にさまざまです。
定期的に使うなら、2〜3社に見積もりを取って比較するだけで、年間では大きな差になります。
見積もりの電話で「伝えること・確認すること」
最後に、見積もりのときのチェックリストをお伝えします。
介護タクシー事業者から聞かれることが多いと思いますが、これを伝えてもらえると正確な見積もりがすぐ出せます。
事業者に伝えること
- 体の状態(自分で歩けるか・車いすか・寝たままか)
- 車いすは自分のものを使うか、借りたいか
- 出発地と目的地、利用したい日時
- 家族が同乗するか、つきそいを頼みたいか
事業者に確認すること
- 運賃は時間制か距離制か
- 迎車料金・待機料金・キャンセル料はあるか
- 障がい者手帳の割引はあるか
- 福祉タクシー券は利用できるか
よくある質問
Q. 長距離の利用(隣の市の病院など)はいくらかかりますか?
長距離こそ、事前見積もりが必須です。
運賃が時間・距離に比例して増えるほか、高速道路を使う場合は実費がかかります。事業者によっては長距離割引などがあるため、電話で「◯◯病院まで往復したい」と伝えて見積もりを取ってください。
Q. 料金は普通のタクシーのメーターと同じですか?
事業者によって違います。
普通のタクシーと同じ距離制メーターの事業者もあれば、時間制の事業者もあります。さらに介助料と機材料金が加わる点が、普通のタクシーとの大きな違いです。
まとめ:しくみを理解し、事前にお見積りを
この記事の要点は次の3点です。
- 介護タクシーの料金は「運賃+介助料+機材料金」の3つの合計で決まる
- 高く感じるのは介護サービス代が含まれているから。介助が不要なら他の手段も検討を
- 手帳割引・福祉タクシー券・介護保険・医療費控除を使えば負担は抑えられる
料金のしくみが分かれば、あとはお住まいの地域の事業者に見積もりを聞くだけです。
明石市とその近郊にお住まいの方は、私が運営する介護タクシー「ひだまりサポート」でもお見積もりを承っています(料金案内はこちら)。
通院はもちろん、お墓参りや買い物などのお出かけにも使えます。
→ 介護タクシーがどんな場面で使えるかはこちらの記事をご覧ください。
※この記事は2026年7月時点の情報にもとづいています。料金や制度の最新情報は、各事業者・自治体にご確認ください。

