「ケアマネジャーさんには『福祉タクシーを頼みましょう』と言われたのに、ネットで調べたら『介護タクシー』ばかり出てくる。この2つ、何が違うの?」
ご利用者様やご家族からよくいただく質問です。呼び方がバラバラで、混乱しますよね。
先に、結論をお伝えします。
名前が違うだけで、大きく違いはありません。
意外に感じる方も多いのではないでしょうか。
さらに記事では、2つの呼び方の一般的な違いと、名前に惑わされずに自分に合った1台を選ぶ方法を解説します。
結論|「介助のあり・なし」は法律で決まっていない
先ほどお伝えした通り、介護タクシーと福祉タクシーの違いはなく、法律でスパッと分かれているわけではありません。
- 「介護タクシー」は、法律に出てくる正式な用語ではありません。国の制度上の正式名称は「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」で、その通称として使われています
- 「福祉タクシー」は、国土交通省の整理では、一般のタクシー事業者が福祉車両で行う運送と、障害者などに限定した許可を受けた事業者(いわゆる介護タクシー)の運送を合わせた総称です
つまり制度の上では、介護タクシーは広い意味で福祉タクシーの一種。2つは対立する別物ではありません。
(出典:国土交通省「福祉タクシー」)
https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk3_000007.html
(出典:国土交通省「高齢者の移動手段を確保するためのパンフレット」)
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/transport/content/001880928.pdf
そしてよくある質問の1つに、「介護タクシーは介助をしてくれて、福祉タクシーは介助がない」という認識をされている方もいらっしゃいます。
回答は、名前を見ただけでは「介助してもらえるかどうか」は分からない——これが制度の実態です。
「介護タクシーは介助あり、福祉タクシーは介助なし」
ネットにはこう書かれていることもありますが、特に決まりはなく、介助に対応してくれる福祉タクシーは多いです。
ですので、こう考えてください。
- 「介護タクシーだから、何でも介助してくれる」と思い込まない
- 「福祉タクシーだから、介助は頼めない」と決めつけない
名前は入り口にすぎません。サービス内容(介助の内容)は、事業者ごとに違います。
「福祉タクシー券」はどっちで使える?
もうひとつ、混乱のもとになっているのが福祉タクシー券(自治体のタクシー料金助成)です。
「福祉タクシー券は、福祉タクシーでしか使えないの?」と思われがちですが、介護タクシーでも使えます。
福祉タクシー券が使えるかどうかは、その事業者が自治体と契約(登録)しているかどうかで決まります。介護タクシーか福祉タクシーかという呼び方とは関係ありません。

つまり、介護タクシーでも登録事業者なら券が使えますし、福祉タクシーでも未登録なら使えません。
確認方法は2つです。
- 「お住まいの自治体名+福祉タクシー券」で検索して、登録事業者の一覧を見る
- 予約の電話で「◯◯市の福祉タクシー券は使えますか?」と直接聞く
名前で迷わず「3つの確認」で失敗しなくなる

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
介護タクシーか福祉タクシーか——名前で迷う必要はありません。予約の電話で、次の3つを確認すれば失敗しません。
①介助はどこまでしてもらえますか?
いちばん大切な確認です。「乗り降りだけ」なのか、「玄関から車まで」なのか、「病院の受付まで」なのか。
体の状態(自分で歩けるか・車いすか・寝たきりか)を伝えれば、事業者側が対応できるかどうか答えてくれます。福祉タクシーと名乗っていても、介助してくれる事業所は多いです。
②車いす・ストレッチャーのまま乗れますか?
介助の腕があっても、車両が対応していなければ乗れません。ご自身の車いすを使うか、借りるかも一緒に伝えると確実です。
③料金の内訳を教えてください
運賃のほかに、介助料や機材料金がかかるかを確認します。聞くべきポイントの全リストは、料金記事の「見積もりチェックリスト」にまとめてあります。
この3つを聞けば、名前がどちらであれ、「自分に必要なサービスかどうか」が確実に分かります。
よくある質問
Q. 料金は、介護タクシーと福祉タクシーのどちらが安いですか?
介護タクシーと福祉タクシーの名前だけでは判断できません。
料金体系は事業者ごとにさまざまなので、2〜3社に見積もりを取って比べるのが確実です。
Q. 事業所によって呼び方が違うのはなぜですか?
介助の有無で呼び分けを決めた法律がないからです。
「介護タクシー」は正式な用語ではなく、国の整理では「福祉タクシー」は介護タクシーも含む総称。
同じサービス内容でも、ある地域では「介護タクシー」、別の地域では「福祉タクシー」と名乗っていることがあります。
まとめ:名前ではなく「介助の内容」で選ぶ
この記事の要点は次の3つです。
- 介護タクシーと福祉タクシーは名前が違うだけで、「介助のあり・なし」は法律で決まっていない
(介護タクシーは通称で、制度上は広い意味の「福祉タクシー」に含まれる。) - 介助に対応する福祉タクシーも多い
- 迷ったら介助の範囲・車両と機材・料金の3つを確認
「どっちを頼めばいいか分からない」ときは、体の状態と行き先を伝えて、事業者に相談してください。それがいちばん早くて確実です。
明石市とその近郊にお住まいの方は、私が運営する介護タクシー「ひだまりサポート」でもご相談を承っています(サービス案内はこちら)。
→ 介護タクシーが通院以外にどんな場面で使えるかは、介護タクシーはどんなときに使える?の記事をご覧ください。
※この記事は2026年7月時点の情報にもとづいています。制度や料金の最新情報は、各事業者・自治体にご確認ください。

